創業以来、船舶用エンジンを通じて水産業を支えてきた技術は産業機械にも派生し、今や事業の柱の一つに成長した。産業機械部は、同社のもう一方の主翼を担う。
主力は非常用の自家発電機。病院や大型商業施設などに設置され、災害で停電した場合など非常時に稼働する。停電時は言うまでもなく電力供給がないため、タンク(軽油)やボンベ(LPG)といった独立した燃料でエンジンを回すことで発電機を動かし、施設内に電力を供給する。
「設置場所や使用燃料、常用か非常用かなど、条件に応じて多様な発電機を取り扱いますが、基本的にはベースとなる発電機を用途に応じてカスタマイズして提供しています」と担当者は言う。
ブラックアウトをもたらした2018年9月の胆振東部地震など、近年は道内でも自然災害が頻発。特に冬場の停電は生死に直結するだけに発電機の重要性が増している。産業機械部の仕事は、道民の「命」を守ることに真っ直ぐつながっている。